■ 千枚漬の販売期間について

webshopでのお取り扱いは10月1日より2月末日の期間でお取り扱いしています。
本店実店舗では、上記より若干早めに始まり遅めに終了します(その年の天候により変動します)。

原料となる聖護院かぶらは冬の京野菜。 千枚漬は浅漬けであり、このカブラの出回る季節でないと作る事ができません。 また、小蕪など他の品種では納得のいく味には仕上がりません。 新鮮で質のよい聖護院カブラが契約農家から届く、秋から春先までの寒い時期限定のお漬物です。
近年では品種や冷蔵施設の改良もすすみ、9月中旬頃から冬をはさんで 翌3月末ごろまで作れるようになりました。
・・・とはいえ、やっぱり畑で作る自然のもの。 年ごとの気温や気候で、(そしてカブラのご機嫌で)始まりと終りの時期は少々差があります。


 ■ 賞味期間と保存方法について

 袋入り(ご家庭用)は食べ頃のものを取り分けているので、3日間。
ご贈答用樽入は、お届け期間等を考慮したものなので1週間。
いずれも冷蔵庫で保存の上、お早めにお召し上がりください。(生鮮食品扱)

 真空パック包装で日持ちするのでは、とお問い合わせを頂くのですが・・・
 当店の千枚漬は、手作業で詰め、空気をそっと押し出し、袋の口を閉じています。  それは原料である聖護院カブラがもつ緻密で柔らかな果肉が身上であるため。真空パックすることで、その繊維質が傷つき旨味が吸い出されてしまい風味も食感も本来のものから遠くなってしまいます。 丹精こめた千枚漬。 樽出しの美味しさでお届けしたいから真空パックにはできません。 また、上記の理由から冷凍保存もできません。



 ■ 千枚漬に入っている青菜について

カブラの葉っぱですか? なんて時々訊かれますが・・・これは京野菜・壬生菜を塩漬にしたもの。
千枚漬の由来に基づくもので彩りのためではありません。

江戸時代の終り頃、宮中の料理人であった初代。
カブラの白を白砂に壬生菜を青松に見立て、京都御所の瑞兆を表し献上した浅漬が千枚漬です。

漬物が鈍色で味の濃い保存食であった時代。そこに登場した淡い薄味の浅漬は宮中でたいそうな評判を得ました。
御所の職を退き「千枚漬本家 大藤」として創業の後も、カブラに壬生菜を添える形で販売を続けました。
 製造し販売する日々のなか、かつて奉職した京都御所の庭に思いを馳せていたのでしょうね。




 ■ 聖護院かぶらと聖護院大根

 京野菜として知られ、白く丸い大きな姿やともに聖護院の冠をもつ事などからしばしば混同されますが、やっぱり蕪と大根。
味も食感も別物の野菜です。


 聖護院かぶらは享保年間に近江(滋賀)から。  聖護院大根は文政年間に尾張(愛知)から。 それぞれ違う時代に別々の場所から持ちまれたものが、聖護院の地(京都市左京区あたり)で栽培・品種改良され今の形になりました。 葉つきのものだと形で見分けられますが、葉を落としてしまうと見た目はそっくり。でも、包丁を入れると果肉でわかるんですよ。
 聖護院カブラは原種に比べて大きく美味しく変化したのですが、聖護院大根はもともと丸い形ではなく、長い普通の大根だったものが、地盤が固く浅い畑に栽培されるうち丸く横広がりの形へと変化し定着したそうです。
 ちなみに千枚漬の原料は、聖護院カブラ。 大根で漬ける事はありません。


 ■ 赤かぶなど千枚漬のバリエーションはありますか?

大藤の千枚漬は聖護院カブラで漬けるもの。
由来からもバリエーションは考えられません。

前述の通り、白いカブラを御所の白砂に見立てた『初代の心』を今も継ぐ千枚漬。
これは慶応の頃から現代にわたり当主の手から手へと引き継がれてきたこだわりのひとつでもあります。
当店で千枚漬とは昔ながらの唯一無二のもの。赤いカブラを使うことや、香りや香辛料でバリエーションをつける事はございません。


でも・・・赤かぶ柿酢漬はございます(*^^*)b
こちらは通年商品。甘酸っぱくて爽やか、と好評です。